茨城県は10日、昨年11月にあった県立医療大学の入学試験で出題ミスがあり、5人を追加合格にしたと発表した。問題に誤りがあり、正答がなかった。希望者は入学できるようにするという。
出題ミスがあったのは、保健医療学部の学校推薦型選抜と社会人特別選抜の試験。英語や自然科学の知識を問う「総合問題」33問のうち1問で、一般書籍の文章の一部を引用して金属の性質に関する知識を問う内容だったが、引用した文章の一部が科学的事実に反していたため、問題として成り立たなくなっていた。
大学によると、文部科学省から、出題ミスの可能性の指摘があったと4月23日に連絡を受けた。学内で検証し、出題ミスだったことが分かった。受験者223人全員を正解とし、改めて採点した結果、学校推薦型選抜で不合格となった5人が、実際は合格点だったことが判明した。社会人特別選抜の合否に影響はなかった。
5人には個別に説明と謝罪をした上で、今月8日に合格通知を発送した。このうち2人は不合格となった後、一般入試を受けて合格し、今春入学した。ほかの3人についても、希望すれば入学に向けて調整する。不合格とされたことで要した一般入試の受験費用や他大学への入学金などは賠償する方針だという。
同大では20年と21年の入試でも計4件の採点ミスがあった。今後、学外のメンバーからなる第三者委員会を設置し、再発防止策を講じるという。阿部慎司学長は「大学入試という人生の非常に大事な場面においてこのような重大なミスを発生させてしまい誠に申し訳ありません」と陳謝した。(宮廻潤子)